シンジケートローンの資金調達方法
比較的新しい資金調達方法に「シンジケートローン(協調融資)」があります。複数の金融機関から資金調達をしようと考えている方にはうってつけの方法といえるでしょう。ここでは、シンジケートローンの特徴とメリットをご紹介します。
シンジケートローンとは
シンジケートローンとは協調融資とも言われ、借主が一度に複数の金融機関から資金調達ができることが特徴です。複数の金融機関群を「シンジケート団」といい、それを取りまとめている金融機関を「アレンジャー」といいます。通常、複数の金融機関から借入をするときは、個別の条件・契約書を交わす必要がありますが、シンジケートの場合は、取りまとめであるアレンジャーに同一の条件・契約書を交わすだけで複数の金融機関(シンジゲート団)から借入をすることができます。
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シンジケートのメリット
シンジケートの最大のメリットは、とにかく手間がかからないことです。シンジケート団に借入をするときは、アレンジャーに契約をすれば良いだけなので、複数の金融機関と契約することがなくなります。また、返済時も決済口座に一括して入金すれば、取りまとめであるアレンジャーが貸付してくれている複数の金融機関(シンジケート団)に支払ってくれます。振込の手間もなくなり、借入金の管理という意味からも便利な融資形態といえます。
シンジケートの最小ロット
便利なシンジケートローンですが、最小ロットは5〜10億以上となります。そのため、少額の借入には向いていない取引です。これ以上少額の借入になると事務負担がかかり利益が取れないのが原因です。シンジケートローンの仕組みが煩雑なため、数百、数千の取引は扱っていないのでしょう。
シンジケートの契約
最小ロットが5〜10億以上の取引となるため、もちろん審査があり書類作成が厳重にされます。契約書個別に作成され「表示保証」「貸付前前提条件」「コベナンツ」の3つがあります。
表明保証
表明保証とは、契約前に現在の財務状況や経営状況が開示されている内容で間違いがないかを確認させる条文です。万が一これに謝りが発覚すると融資契約の解除や回収といった事態になる可能性があります。
貸付前提条件
貸付前提条件とは、融資の際にチェエクすべき項目のことです。このチェックがクリアされないと融資は受けられません。
コベナンツ
コベナンツとは、契約で設定した条件に抵触すると効力が発生する条文で、違反すると借入条件が悪化したり返済を求められることもあります。例えば、「2期連続経常赤字は回避」「純資産の額が前年度の75%を下回らないこと」などの条件が課せられ、これが達成できなければ効力が発生することになります。
シンジケートで資金調達をするケース
以上のことから、億単位の大きな資金調達を希望の際にシンジケートを利用し、それ以外の少額の資金調達を希望する際には、通常の金融機関に借入をするという使い分けをするようにしましょう。