コミットメントラインの資金調達方法とメリットデメリット
コミットメントライン契約をすれば、契約期間中に融資枠を設定・維持し、その範囲内であれば銀行から融資を受けられるという融資方法です。比較的新しく、自由度が高い融資方法といえるでしょう。
コミットメントラインのメリット
コミットメントライン契約をしておけば、枠内でいつでも借入が可能となり、安定的な運転資金枠の確保や、資金ショートなどの不測の事態への対応手段となることで、安定した経営を行うことができるようになります。
また、大きなメリットとして、コミットメントライン契約の枠内であれば、銀行は融資を断ることができないことです。通常の融資や当座貸越であれば、追加融資を断ることもできますが、コミットメントラインの枠を確保しておけば、銀行は断ることができず融資しなければならなくなります。これは事業者にとって大きなメリットといえるでしょう。
2種類のコミットメントライン
バイラテラル方式
バイラテラル方式は各金融機関と個別にコミットメントする方式です。1つの金融機関からの契約となるため、数千万円など少額の融資額はとなりますが中小企業にはありがたい方法です。
シンジケート方式
シンジケート方式は、複数の金融機関からの借入を同時に行う方式となります。複数の金融機関から借入金枠を確保することができるため、契約や返済の手間が省けるメリットがあります。ただし、5億以上の取引が最低条件となっているため中小企業にはハードルが高くなります。
コミットメントラインのデメリット
メリットが大きいコミットメントラインですが、1点だけ注意しなければならにことが有ります。それが、「手数料」です。融資枠設定の際に「アレンジメントフィー」、融資枠を使っていない部分に関しては「コミットメントフィー」の手数料がかかってしまいます。
融資枠を使っていない部分にも手数料(融資枠未利用料金 × ⚪︎%)がかかるため、とりあえず確保しておこうという理由での契約はおすすめできません。定期的に借入予定があり、枠内で返済と融資を臨機応変にしたいと検討している事業主にはおすすめの資金調達方法となるでしょう。