企業活力強化資金制度で資金調達をする方法
中小企業や個人事業で経営されている方たちの悩みのタネは、新事業をするときの資金繰りです。
今回のその資金繰りを公的機関から支援してもらえる「企業活力強化資金制度」についてお話しします。
企業活力強化資金制度について
「売上を増やすため、集客力のある商業施設に新規出店したい」「利益率を上げるため、新たな設備を導入して業務を合理化したい」「経営の安定化を図るため、新技術を導入して現在の元請のほかにも顧客を開拓したい」。
そのような、企業活力を強化するための事業者の取組に対して、設備資金や運転資金を融資するのが、日本政策金融公庫(以下「日本公庫」という。)の「企業活力強化資金」です。
企業活力強化資金制度の2種類
企業活力強化資金制度には2種類あります。種類ごとにお話します。
国民生活事業
個人事業主や小規模事業主に向けては、国民生活事業の企業活力強化資金制度があります。
条件や使いみちについては下の表を参考にしてください。
利用できる方 | 資金の使いみち | |
---|---|---|
商業関連 | 卸売業、小売業、飲食サービス業またはサービス業を営む方 | 次のいずれかを実施するための設備資金・運転資金 ・合理化、共同化などを図るための設備の取得 ・セルフサービス店の取得 ・ショッピングセンターへの入居 ・新分野への進出 ・販売促進・人材確保(運転資金のみ) ・空き店舗への入居 |
商店街設備などに係る街づくり会社の方(都道府県より商店街設備等支援計画の認定を受けた事業を実施する特定会社など) | 当該事業を実施するための設備資金および運転資金 | |
製造業関連 | 特定ものづくり基盤技術を活用した新製品・新技術の開発およびその成果に係る販路開拓に取り組む方で、一定の要件を満たす方 | ものづくり製品開発等計画を実施するための設備資金および運転資金 |
特定下請連携事業計画の認定を受けた連携体を構成する方 | 認定計画を実施するための設備資金および運転資金 | |
融資限度額 | 7,200万円 | |
返済期間 | 設備資金:20年内(うち据置期間2年以内) 運転資金:5年以内(うち据置期間1年以内) (運転資金について、特に必要な場合は返済期間を7年以内とします。また「下請中小企業振興方」関連の方で、特に必要な場合は据置期間を3年以内とします。) |
|
利率 | ・使いみち、返済期間、担保の有無などによって、異なる利率が適用されます。 ・中心市街地関連地域で事業を営む方は、特別利率が適用されます。 |
|
担保・保証人 | ご希望み応じてご相談いたします。 |
中小企業事業
中小企業の方に向けては、中小企業業の企業活力強化資金があります。
条件や使いみちについては下の表を参考にしてください。
利用できる方 | 資金の使いみち |
|
---|---|---|
商業関連 | 卸売業、小売業、飲食サービス業、サービス業を営む方、またはこれらの方で構成された事業協同組合など 中心市街地関連地域において卸売業、小売業、飲食サービス業またはサービス業を営む方 | 次のいずれかを実施するための設備資金・運転資金 ・合理化、共同化などを図るための設備の取得 ・セルフサービス店の取得 ・ショッピングセンターへの入居 ・新分野への進出 ・販売促進・人材確保 ・集配センターの取得(卸売業者に限る) |
商店街や商業施設の整備を実施する方や特定会社の方 | 認定計画を実施するための設備資金および運転資金 | |
中小小売商業高度化事業、特定商業施設等整備事業などを実施する方 | 当該事業を実施するための設備資金および運転資金 | |
特定の施設において、卸売業、小売業、飲食サービス業およびサービス業のいずれかの事業を営む方。 またはそれらの方で構成された事業協同組合など | 次のいずれかを実施するための設備資金・運転資金 ・合理化、共同化などを図るための設備の取得 ・セルフサービス店の取得 ・ショッピングセンターへの入居 ・新分野への進出 ・販売促進・人材確保 ・集配センターの取得(卸売業者に限る) |
|
製造業関連 | 特定研究開発等計画の認定を受けた方で、経営状況について一定の条件に当てはまる方 | 認定計画を実施するための設備資金および運転資金 |
特定ものづくり基盤技術を活用した新製品・新技術の開発およびその成果に係る販路開拓に取り組み、ものづくり製品等開発計画を策定する方 | ものづくり製品等開発計画を実施するための設備資金および運転資金 | |
特定下請連携事業計画の認定を受けた連携体を構成する方 | 認定計画を実施するための設備資金および運転資金 | |
融資限度額 | 直接貸付:7億2千万円(うち運転資金2億5千万) 代理貸付:1億2千万 |
|
返済期間 | 設備資金:20年以内(うち据置期間2年以内) 運転資金:7年以内(うち据置期間1年以内) 運転資金については、特に必要な場合、7年以内(うち据置期間3年以内)となります。 |
|
利率(年) | 使いみちによって、基準利率または特別利率が適用されます。 なお、融資利率は信用リスク・融資期間等に応じて所定の利率が適用されます。 |
|
担保・保証人 | ご希望に応じてご相談いたします。 |
企業活力強化資金制度は活用せよ
これから新規事業を取り組みを考えている中小企業の方は大いに活用するべきです。
大きなメリットとしては公的な支援のため、条件が厳しくなく、多くの方に活用できる点です。なので、条件を満たしている企業の方は日本政策金融公庫に相談しましょう。